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小説・わたしの彼氏になりなさい4

小説・わたしの彼氏になりなさい4

……ガチャ!

鍵の掛かっていなかったドアはあまりにもあっさりと開いてしまい、しかしそんなことも気にせず緑は富井宅にドスドスと足音も荒く飛び込んでいった。

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* * *

家賃4万、共益費5千円。

それがこの部屋に富井が居住するための対価である。

部屋は一部屋のみではあるが、狭いとはいえダイニングにキッチン、それからトイレとバスルームは付属しているため、それほど不便はない。

男の一人暮らしの割には、掃除も行き届いているとは言えないがほどほどにはできているし、流し台に食器が山盛り、なんていうこともなかった。

夜のとばりの降り始めた今の時間では確認出来ないが、正面の壁にはベランダに通じているものと思われる大きなガラス戸があり、昼間ならばそこから入ってくる日の光で、特に電気を点けずとも程々に明るさを保つことが出来そうだ。

また、この部屋は角部屋だけあり左手にも通常サイズの窓がもう一つあり、正面のガラス戸と同様に、濃紺の、暗幕じみたカーテンが掛けられている。

床はフローリングで、所々に傷が付いてはいるが、これは如何せん古めの建物であるため仕方のないところだろう。

パッと見た感じでは、この部屋の主は苦学生の割にはなかなかに良い暮らしをしているのではないだろうか。

ただ一つだけ残念なのは、その主がそのフローリングの床に仰向けに倒れて、青い顔をしながら腰を抜かしたようにパクパクと口を開けたり閉じたりしていることくらいだろうか。

だが、この部屋の主、富井にしてみれば、朝の怪しい手紙に一日中悩まされたかと思えば、今度はこの突然の襲撃である。

しかも彼の苦手なお化けによる襲撃である。 多少見苦しい状態になっても仕方がないのかもしれない。

ただし、この部屋を襲撃した人物、青山緑にしてみれば、生まれて初めてのラブレターを出してみれば、その人物からいきなりお化け呼ばわりである。

多少は自分の容姿に自信のある緑だから、今まで一度も言われたことのないそんな悪口雑言を聞き、普段通りのクールな雰囲気を保つことはもはや不可能だったと言えるだろう。

だから緑が部屋をグルッと一瞥したあと、床に転がっている人物を発見し、思い切り睨み付けながら鋭い怒気を発してしまったのも、ある意味やむを得ないのだ。

まあ、いきなり怪物呼ばわりされれば緑でなくても腹は立つに違いないし、踏みにじられた乙女の純情に対して、下手をすればいきなりどこからともなく取りだした日本刀でぶった斬られる事態もあり得たのだ。

本作が伝奇物でなかったことが富井の命を救ったのである。

* * *

さて、富井は今日一日中ポジティブ思考で素敵な女子からの告白を夢見てはいたものの、やっぱり無記名の手紙と、あの文面からしてなにかヤバいものにでも憑かれてしまって、どこか遠いところへ自分を誘っているのかもしれない、なんて考えももちろん持っていたわけで。

しかも、それが今晩自宅に来るとか書いてあるわけで、実のところかなりビビっていた部分もあったりしたわけだ。

だから部活に真面目に出て、夜も適当に田中の家にでも泊めて貰って、自宅に帰らないという選択肢を選ぼうかとまで思ったくらいなのだ。

しかし、しかしである。

もしも本当に富井を好きな女の子からのラブレターだったとしたら。

今まで一度たりとも告白さえ受けたことのない富井である。

おそらくその喪失感と絶望感は、今まで彼が生きてきた人生の中で「ゆかりん」を失ったときに次ぐほどのものになってしまうかもしれなかった。

だからこそ、ビクビクと小動物のように脅えながらも放課後の部活をサボってまで早めの帰宅を済ませ、訪れるであろう手紙の主を待ち構えていたのである。

そして現れた待ち人が、富井のインターフォンからの呼びかけになんの反応も示さなかったとき、そして無造作に扉を開けて室内に侵入してきたとき、その恐怖はピークとなり、彼の身体はその力を全て失って、床にくずおれることとなったのである。

一言で言えば、腰が抜けて床に仰向けに寝転がり、顔を青くしてガクガク震えながら足をヘナヘナと交差させ、糸の切れた操り人形のような状態になってしまったというわけだ。

そんな富井ではあったが、今、彼に出来ること。 仰向けにくずおれた姿勢ではあるが出来ること。

侵入者を見据え、観察することを実行したのだった。

腰が抜けて恐怖のあまり目を動かせなかっただけ、とも言えるのだが。

さて、身動き一つ出来ない富井の視界に入ったのは、不機嫌そうな表情をした見知った顔だった。

──彼女は確か、女子部の副部長の、美人で有名な青山さん!?

有名だったらしい。

驚いた富井は思わず素っ頓狂な声で問いかけた。

「あれ? 青山さん…… だよね?」

富井はキツネにつままれたような表情をしながら、無様に仰向けに倒れたままの姿勢で緑の顔を見上げる。

それに緑は「そうよ」と両手をそれぞれ腰に当てて、富井をなんだか呆れたように見下ろしながら、短く返答する。

普段であれば168センチの富井が、165センチの緑に見下ろされるようなことがあるはずもない。

まあ、普段であっても真横に並んだことなんてないのだが。 部活の打ち合わせなどでもちょっと離れたところに緑は立っているし。

だが、今やそれは逆転。 見下ろされた富井は、緑の整った顔を見上げ、そしてその全身から発せられる凄まじいまでの威圧感に背筋を奮わせた。

──えっと…… なんで怒ってるんだろう…… というかなにが起こってるんだろう?

富井はなにがなんだかよくわからないまま、緑を見つめる。

すると、緑は怒気を抑えながらも、やはり威圧感のある感じの声で富井に問いかけてきた。

「今日ここに来ることは手紙で知らせたでしょう? なんでそこまで驚いてるのよ」

「え!? あの手紙は青山さんからだったの!?」

怪訝な顔をした緑を見上げながら、真底驚いた表情のままで富井が問う。

「当たり前でしょう? そう書いておいたハズよ?」

「い、いや…… 差出人なんて書いてなかったよ、あの手紙。 放課後に家に行く、としか書いてなかったから、てっきり悪戯だと思ってたんだよ?」

散々その文面に震え上がったことは伏せつつ、そのあと散々オレはモテているとか舞い上がったことも伏せつつ富井は言う。

男には見栄を張らねばならぬ時もあるのだ。

しかしその事実を突きつけられた緑はといえば、これはもう完全にパニクった。 相変わらず怒った表情のままだったが、しかしその内心はパニクりまくっていたのである。

──え、えっと。 名前、書き忘れてたの? わたし。 で、でも、そんなミスを……

眉間にわずかにシワを寄せながら、緑は昨夜のことを懸命に思い出す。

何度も書き直したあげく、あのシンプルな文面に決めてから、確かに緑は自分の名前を便箋に書いた記憶がなかったことに気付いた。

──書き忘れたかも……!

思わず緑は富井の顔を見る。

「……」

「……」

顔を見合わせる二人。

見知らぬ人物からの「放課後家に行く」宣言。 それはまさしく怪文書であると言える。

「そ、それくらい筆跡で気付きなさいよ! そんな些細なことより聞きたいことがあってきたんだから!」

誤魔化した。 勢いとノリで誤魔化した。

緑の筆跡を記憶するほど見た覚えもないし、一日中悩んだり、お化けだと思って腰を抜かしたりしたのを、些細なことだとバッサリ切り捨てられた富井は放心状態になっている。 口から漏れているのは白いエクトプラズムだ。 赤くないので問題ない。

「富井君、あなたに…… あっ!」

誤魔化したバツの悪さで視線をさまよわせている間に緑が見つけたもの。

それは点けっぱなしのパソコンのモニターだ。

緑が来るまでの間にでも見ていたのだろう。 本当ならウインドウを閉じたりパソコンを終了させたりしてから手紙の相手と会いたかったのだろうが、緑が強引に踏み込んだためにそのままになっていたらしい。

さて、緑が目を留めたのは、エロ写真だった。

女子が来る直前までそんなものを見ていた富井の自業自得とも言えるのだが、まぁ仕方ない。 富井だし。

さて、その画面に映っていたものは、普通のヌード写真などではなかった。

全裸の女性が四つんばいになって、なみなみと牛乳の注がれたお皿に顔を突っ込もうとしている、かなりアブノーマルな写真だったのである。

首輪にボンデージ。 首輪から伸びるリードの鎖は画面外に向けて引っ張られている。

女性の長い黒髪はツインテールにまとめられてはいたものの、ほつれた髪が何本かお皿に入ってしまっているし、牛乳の上に浮いた焦げ茶色の小さなしなびたペットフードがとても哀れな感じだ。

だが、緑の目はその写真に釘付けになる。

なぜなら、その写真の女性が浮かべている表情。 どこか脅えたような、しかし自身に酔っているかのような、そんな複雑な表情が、緑の心を突き刺してきたからだ。

──これ、いいかも……

緑はいつの間にか、自分をその女性に置き換えて見ていた。

首輪の鎖を引っ張られながらもお皿に顔を突っ込んで、動物みたいにペットフードを食べる自分。

飼い主の足元に駆け寄って、頭を撫でて貰う自分。

思わず緑は、

「富井君、こういうのに興味があるの?」

こう、呟いていたのだった。

5へつづく
ケータイ版5へ

※お待たせしました。 第四話目をお送りします。
※昨夜はほとんど書き上げたままでしたので微修正しました。

コメント

>本作が伝奇物でなかったことが富井の命を救ったのである。
↑オレをピンポイントで狙ってきたとしか思えない文章。くっ!思わず吹いちまった…。
あと「有名だったらしい」とか「赤くないので問題ない」とかの天の声による
ツッコミは好きなので、いいぞもっとやれ!って感じです。

一物が縮みあがってそうな富井がここからエロモードに入るまでの場面が想像できないw
だがそれもまたよし。

>人形遣いさん
お楽しみ頂けて嬉しいですw
突っ込みは量を考えながらこれからも挟んでいく予定です。
っていうか、今まで書いたお話でも、主人公達の行動に何度も突っ込み入れたくなることはあったので(^^ゞ
遠慮無く突っ込めるこの物語は書いててとても楽しいです。

富井の幸せはこれからです! ……多分w

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