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小説・わたしの彼氏になりなさい3

小説・わたしの彼氏になりなさい3

「今から、行きます」

緊張で堅くなった低い緑の声が富井の携帯に流れてきた。

「え!? え!? なんか怖いよっ!? え!?」

プツっ。

焦る富井の声を無視して携帯を切った緑は、グッとコンビニの上、三階部分を睨み付けると、キュッと唇を噛み締めて建物の脇にある階段を上っていった。

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* * *

コツン、コツン。

コンクリート製の階段を、ゆっくり、ゆっくりと時間を掛けながら、緑は登っていた。

仄かに上気した肌からは未だにじんわりとした汗がにじみ、制服のブラウスを幾分薄く透けさせている。

流れた黒髪が首許へ幾本か貼り付き、この年頃とは思えないような色気を醸し出していた。

しかし、それらを全て打ち消してしまうのは、その表情。

緑の整った顔立ちは、今、なんの感情も表現していない。

完全な無表情で、ただ階段を一つ一つ確かめるように踏みしめるだけだ。

クールな印象を与える目許、そして部活動をやっているにも関わらず薄く淡い白蝋を思わせるような肌の色。 それらと相まって、その姿はさながら幽鬼のようですらあった。

ほの暗い階段に、天井に設置された薄暗い蛍光灯が、彼女の細い身体、そして長く流麗な黒髪の影を投射する。

美しくもあり、怖ろしくもあるその幻想的な光景を作り出している当の張本人、青山緑。

幽幻なる雰囲気に包まれたその心の内に去来しているものは一体なにか。

彼女の心の奥、その聖域にあるものを推し量ることなど誰にも出来そうにもない。



だが、ここでは彼女には内緒でこっそりとお教えすることにしよう。

その心はといえば。



……盛大に、テンパっていたのである。

* * *

──好きです! 付き合ってください! ……というのは違うわ。 別に富井君を好きなわけじゃないんだし……

──涼子から聞いたわ、アダルトグッズを貸して欲しいの…… ってこれじゃ痴女でしょう!?

緑は真剣に悩んでいた。 もう、授業中も昼休みも部活中も、盛大に悩み続けていた。

もちろんそれをおくびにも外に見せるようなことはしていなかったが、しかしああでもない、こうでもないと、ずっと、ずっと、とにかく一日中悩み続けていたのである。

──やっぱり、好きです、かな。 それで付き合ってみて、それからいろいろなお道具を使って、それこそ涼子よりも凄いことをして貰って、そのうちだんだん好きになっていけばいいんだし……

──でもそれってちょっとズルいわ。 好きでもないのに好きですなんて言ったら、富井君に失礼よね……

つまり、一日中いろいろと悩んではみたものの、結局このギリギリまで結論が出せなかったため、緑は少しでもさらなる考慮時間を求めてノロノロと階段を登っていたのだった。

先送りにしたあげくの牛歩戦術である。

一言で言えば悪あがきである。

しかし先送りにした間に何か良いアイデアを思いつく場合ももちろんあるのだ。 もちろんなにも思いつかずにタイムリミットを迎える場合も多々あるが。

さて、緑の場合はどちらになるのか。 とにかく彼女は今、フルスピードで脳細胞をフル回転させていた。 そしてフルスピードで混乱していた。

──扉が開いたら無理矢理室内に侵入、対象を無力化した後目的の物品を回収…… って昨日読んだ小説でしょ! 悪くないアイデアだけどダメでしょ、それは!

かなり混乱しているようだ。 というか、これ以上富井を不幸にしないでやって欲しい。

──っていうか、富井君はわたしから告白されて本当に嬉しいのかしら。 彼、身体はヒョロッとしてて頼りないけど顔は悪くないし……

──今は彼女はいないそうだけど、陰でこっそり付き合っている子がいてもおかしくないものね。

緑はまたさらに憂い顔になる。

──ああ、もう。 なんでわたしがこんなことを考えなきゃいけないのよ。 富井君って部活でだってうちの部員達に「横に立つと身の危険を感じる」なんて言われてるくらいの人じゃないの……

──絶対彼女なんていないわ、うん。 いいのは顔だけよね。

そういいつつも、緑の表情は内心の不安を押し隠すことは出来ていない。

──決めたわ。 シンプルに「これからわたしと付き合ってもらえますか?」にしよう!

いや、その告白では「これからどこかに出掛けましょう」という誘い文句になってしまうのではないだろうか。 いや、下手をすると「顔を貸せ」とか脅し文句にも聞こえてしまいかねない。

──それじゃ、最初からシミュレーションしてみようかな。

──ドアのチャイムを押すわたし。 出てきた富井君に「こんばんは、今日は部活に来てなかったみたいだけど具合でも悪いの?」なんて言って。

「わたしの手紙は見てくれた?」

「うん、見たよ。ありがとう」

「え? ありがとうっていうことは……?」

「うん、嬉しかったよ」

「ありがとう。 それじゃ、これからわたしの彼氏として付き合ってもらえるの?」

「うん、いいよ」

「ありがとう! これからもよろしくね。 あ、ご飯食べてたの? わたしもいっしょにいいかしら? なにか料理を作るわよ? あ、冷蔵庫見せてね、がちゃ、よし! それじゃ野菜炒め作るわ! ぱたん、ちょっと待っててね、じゃー、じゃー、出来たわよ♪」

「わぁ、おいしそうだね」

「そう? それじゃ、あーん」



──いけない、妄想に耽っちゃったわね。 でも、これなら悪くなさそうだわ。 今日は部活に来てなかったみたいだけど具合でも悪いの?、これでいこう!

* * *

遂に三階まで登った緑は、ハァ、と一度軽く深呼吸をしてから目の前の狭い廊下を見た。

階段は建物の端にあったため、もちろん緑が出たのは三階の端。

緑から向かって左手には彼女の腰の高さまであるフェンスが、そして右手には三つほどのドアがある。

緑はその一番手前の扉の脇にあった表札を見てみた。 しかし富井のものではない。

二番目の部屋は空室のようで、表札が入っていなかった。

ならば間違いなく最後の、一番端の部屋が富井の部屋なのだろう。

緑はもう一度深呼吸をしながら扉の前まで来ると、彼女の視線の高さにある富井の表札と、そしてそのすぐ下のインターフォンを見つけた。

──よし、いくわよ……

気合いを入れて、ボタンを押す。

ピンポーン、とありふれた音が鳴り響いた。

『ど、どなた様ですか……?』

インターフォンから聞こえてくる、なぜかやたらとオドオドとした富井の声。

それを聞きながら、緑はビシッと石のように固まる。 なぜなら……

──インターフォン…… インターフォンなんてシミュレートしてないわ……

どうしよう、どうしよう、と焦った緑は、

「……」

なにも言い出せずに、視線を泳がせる。

『あ、あの……? えっと……』

「……」

『うわぁーっ! やっぱりお化けだーっ!』

やたらと大きな声がインターフォンから聞こえてきて、そのあと中でどったんばったんと誰かが思いっきりぶっ倒れた騒がしい音がした。

──はい? え? お化け? 誰? わたしのこと? わたしがお化け? お化けですってーーーっ!?

カッチーン、という擬音が聞こえてきて、緑はそのままドアノブにガチャガチャと手を掛けて、思い切りひねる。

……ガチャ!

鍵の掛かっていなかったドアはあまりにもあっさりと開いてしまい、しかしそんなことも気にせず緑は富井宅にドスドスと足音も荒く飛び込んでいった。

4へつづく
ケータイ版4へ

※思った以上に長くなったので分割します。 まだ最後まで書き終わってませんけど(^^ゞ
※次話からようやく本題に入れそうです。
※落ち着いてもう一度読んでみると緑がエラいアホの子になってますネ。

コメント

怪物退治する側がお化け呼ばわりじゃぁ怒りますよね〜(違)
そして怒りを力に換えてエロ妖怪富井を退治ですね!(これは正…解?)
いや冒頭の文体が普通にシリアスだったのでこんな印象に(^^;

緑の小説の趣味って一体…。
それと鍵は開いていたのではなく、緑本人が捻じ切ったのに気づかなかっただけと信じているw

容姿等、描写が増えれば場面を想像しやすいので多くても特に困らないです私は。

>人形遣いさん
なんだか緑がすごいことにw 鍵はご想像にお任せの方向で。
富井は…… 彼はこれからいいことがあるハズです……
きっと。 多分。 あるような気がするようなしないような。

容姿はちょっとずつ挟めるところに挟んでいきますネ。

たった三階に上がる、わずかな時間で、こんなにも、考えを巡らしてるなんて、テンパり度がよーく伝わりました。
緑って強引でわがままでタイトルどうり、な子なんかなと思ってたけど、案外、気使いのいい奴やったんですね〜
でもあれは、緑が悪いですよー 誰も初めてのラブレターをもらって誰だか分からないし自分はモテないとおもってるのに、あんなインターホンだったら誰だってお化けと思いますよー
でもそのおかげで、緑はすんなり、緑らしく、家に入れたんですね! 富井ナイス!ファインプレー!
このお話は今までないほど個々の人間くささが描かれていて、とても面白いです!
次はいよいよ…ですね!楽しみ!!

>異形フェチさん
この話でやってるのは、階段を上って扉を開けて、だけなんですよネw その間に緑はアホの子全開になってますけども(^^ゞ

楽しんで頂けて嬉しいです。 今回のシリーズは楽しみ半分不安半分、完全に手探り状態ですからそういって頂けるとモチベーション上がっちゃいます♪

次はいよいよ…… いかないかもしれません(ちょ
この二人思った方向に動いてくれないのですよ〜(´Д⊂

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