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小説・わたしの彼氏になりなさい2

小説・わたしの彼氏になりなさい2

──生まれて初めて男の子にラブレターを出しちゃったわ。 すごくドキドキするものなのね……

女子部室で涼子と一緒に着替えながら、緑は火照る頬にそっと手を当てた。

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* * *

さて、富井である。

部室棟の裏、日当たりの悪い地べたにたくましく生える雑草たちに、制服が汚れることもいとわず豪快に跪きながらたくさんの水分を与えている菩薩の様な男。

なみなみと瞳からあふれ出るその滂沱の一滴一滴は、もとよりジメジメとした大地にとっては全く影響はないと思われるが、しかし富井の涙を強引に与えられる雑草たちにとってはたまったものではない。

早くどこかへ行けという切なる声が、果たして富井に届いたのか。

彼は急に立ち上がると、顔を伏せつつゆっくりと立ち上がり、歩き出す。

もちろん跪いている間も右手に持ったピンクの封筒だけはしっかりと胸に抱きしめていたおかげで、それが汚れた気配は全くない。
それどころか、その封筒に一片のシワさえ存在していない。

そう、これは富井がこの世に生を受けてから、初めて、初めて貰ったラブレターなのである。

いや、内容が内容だけに、普通の人間が考えればラブレターかどうかは怪しい、と思わざるを得ないものではあるのだが。

だがしかし、突然顔を上げた富井の顔には、先程の悲しみの色は一切残っていなかった。

──これは、間違いなくラブレターだ。 そうだ。 僕はモテているんだ。 生まれて初めてモテたんだ!

先程のネガティブさのカケラもない爽やかな笑顔で、富井は胸を張りながら左手を天に突き上げる。

もちろん右手は丁寧にラブレターを抱きしめたまま。 しかしやはりしっかりと抱きしめているはずなのにシワ一つ作ることがない。

なんというか、器用である。
そして底抜けにマイペースである。 まぁ、ぶっちゃけただ舞い上がってるだけのような気がしないこともないが。

しかしこの爽やかな笑顔。 いつもこの表情でいれば、きっと富井は今のような境遇ではなく、もっともっと、青春を謳歌することが出来ていたのではないだろうか。

惜しむべきは、彼がエロオーラによる結界を作り出してしまっていることだろう。

さて、封筒を大事そうに胸に抱いた富井は、まるで天を自在に駆け回る大鷹にでもなったかのような軽い足取りで校舎を目指し駆けはじめた。

いや、そのまま行ったらクラスメートに驚かれてしまうのではないだろうか。

せめて制服の泥は落としていくべきである。 それからピンクの封筒を持ったまま行くとそれこそ男子生徒の苛烈な苛めに遭うのではないか。

「うわ、僕泥だらけだ! それに封筒も隠さないと……」

気付いたようだが、あまり大声を出して独り言を言っていると注目を浴びてしまいかねない。 事実周囲に数人いる生徒達からは気味の悪いものを見るような目で見られている。

「うわぁぁぁ! 汚れた!」

……なんとも騒々しい男である。

* * *

さて、朝練中の青山緑はといえば、かなり苛立った感じである。

後ろでまとめた長い黒髪を気にするように幾度も弄りつつ、トレードマークの涼やかな目許をチラチラと落ち着かない感じで男子部の方へ向けている。

部活が始まってから、既に何度目だろうか。

しかし何回覗き見ても、そこに彼女がラブレターを出した相手の姿はない。

練習中も、練習後も、何度見ても最後まで彼の姿が現れることはなかったのである。

──なんでいないのよ!

それは仕方がない。

朝も晩も塩と水で生きている富井に朝練への毎朝参加を望めば、おそらく彼は死んでしまうだろう。

もともとヒョロッとした男だ。 それほどのスタミナがあるわけもない。 さらに富井はちゃらんぽらんな男なのだ。 おそらく女子部がブルマーで部活をやるとかいう決まりでもない限り、朝練に毎朝参加するはずがないのである。

──もうっ! 自宅がどこにあるのか聞きたいのにっ!

それはダメだろう。 というかそれさえ知らずにラブレターに貴方の家に押し掛けるとか書くものではない。

「もう、緑。 どうしたの、さっきから男子部ばっかり見て?」

あまりにも普段と様子が違う緑を見かねたのか、涼子が心配げに声を掛けてきた。

涼子も天然ではあるがおバカ…… でもあるが馬鹿ではない。 多分。

その涼子にさえ気付かれるくらいだから、よっぽど今日の緑は挙動不審なのだろう。

涼子は一度男子部に目をやると、丁度こちらを見つめていた田中に笑顔で小さく手を振ってから、緑に顔を近付けてきた。

「誰か捜してるの? 部活の子なんておこちゃま過ぎるわ、とか言ってた緑が、誰か興味ある子でも出来たのかな〜?」

──う!

緑は一瞬だけノドを詰まらせた様な表情になってから、再びいつも通りのちょっとク−ルな感じの表情に戻る。

「も、もしかして田中!? ダメだよ!? いくら緑でも田中だけはダメだからね、田中はわたしのだもん」

抑えてはいるものの普通に周りにも聞こえている気がするが、他の部員達は微笑ましいものでも見るような目をしながら苦笑いをするばかり。

「あのね、わたしが男子部なんておこちゃま達を一々気にするわけがないでしょう? 偶々よ。 偶々男子部が目に入っただけなんだから涼子が気にするようなことは何もないわ」

「そ、そうだよね、あはは、ちょっとビックリしちゃったよぉ」

いや、偶々でそんなにチラチラ何度も男子部ばかり見ないのではないだろうか。

「あ、それより後で田中君を少し借りてもいいかしら? ちょっと聞きたいことがあるの」

「え? いいけど、わたしと一緒じゃダメなの?」

「う〜ん、出来れば田中君だけの方が嬉しいかな。 大丈夫よ、取ったりしないから安心して」

緑が口許にニヤリと少し意地悪な笑みを浮かべると、涼子は急にオロオロとして、

「別に心配なんてしてないよ、田中はわたし以外の女子は見ないもん!」

なんて言いながら、真っ赤になってそっぽを向くのだった。

* * *

そして放課後になり、緑は薄暗くなってきた道を一人駆けていた。

男子部はまだもう少し部活を続けるつもりのようだが、女子部は夜道を歩くのは危険ということもあり、真っ暗になる前には帰路につく。

帰宅直前に田中には少しばかり時間を割いてもらい、いろいろと知りたいことを教えて貰ってきたばかりの緑は、田中をこっそり待つ涼子と校門で別れ、曲がり角を曲がり涼子が見えなくなってから疾走を続けているところだ。

長い髪の毛を背中にたなびかせ、足元にまとわりつくスカートを気にしつつ、それでもなかなかの速度で緑は住宅街を走り抜ける。

両端に立ち並ぶブロック塀、明るい街灯に照らされた一本道。

いかにも住宅街らしさを漂わせるその道を、まるで勝手知ったる場所でもあるかのようにひた走る緑の姿は、一種異様な雰囲気を漂わせていた。

もしも本作が伝奇物であれば、電柱の陰から怪物でも現れて、それをそのまま日本刀でぶった斬ってしまいそうなほどの迫力さえ感じる。

──ハァ、ハァ!

学園からここまで休みなく走り続けた緑は、ゆっくりと足を止め始めた。

特に怪物が現れたから、というわけではもちろん無く。
部活でそこそこ鍛えているとはいえ、さすがに疲れて息が切れてしまったからだ。

緑は立ち並ぶブロック塀に左手を突いて体重を預け、荒い息を吐きながらゆっくりと深呼吸をする。
そして、大きくはぁはぁ息を吐きながら、さっき田中が教えてくれたことを反芻した。

──まさか、彼の家があそこだったとはね……

緑はもう一度大きく息を吐いてから、ゆっくりと顔を上げて歩き出す。 目的地は近いようだ。

──わたしがよく行くあのコンビニの、3階かぁ……

コンビニとは家から一番近い場所に行くものである。 徒歩三十秒圏内に無いのはコンビニとは言えない、との名言もあるくらいなのだ。

実際そのコンビニは、緑の家から徒歩三十秒とは言わないまでも、徒歩五分程度の場所にあり、ちょっとした買い物の際には彼女はよくそこを利用していた。

緑は額に貼り付く前髪を鬱陶しそうに弄り、一度立ち止まると徐にスポーツバッグのポケットからハンカチを取り出して汗を押さえながら歩き出す。

下着も制服も汗で少し気持ち悪い感じだ。 緑は気にしないようにしつつ、ゆっくりと歩いていく。

そして、そこから2分程度でようやく目的地であるコンビニに到着した。

──さて、到着したのはいいけど、どうしよう……

ハンカチで額を押さえながら、緑は悩みに悩む。

──とりあえずコンビニに入って、雑誌でも買って帰ろうかしら。

などと現実逃避じみたことを思いながらも、ゆっくりとコンビニの上方、三階部分に視線を移す。

──せっかく生まれて初めてのラブレターまで出したんだし。 それに涼子にこれ以上引き離されるわけにも行かないわ。 頑張らなくちゃ。

一度グッと奥歯を噛んで、それから徐に考え始める。

まずはどうするべきか。

──普通に三階まで上がってチャイムを押すべき? それとも電話かメールを入れてから行った方がいいのかな?

緑は自分の携帯電話を取り出すと、アドレス帳を見る。

そこにはさっき田中から教えて貰ったばかりの目的の人物の電話番号とメールアドレスが登録されていた。

──うん、そうしよう。

彼女は携帯電話をモゾモゾと操作して、電話をかけ始める。

せめてメールにしておいた方がいいのではないだろうか? いきなり見知らぬ番号から電話があっても、普通なら出ないと思うのだが。


「もしもし……? 富井ですけど……」


知らない電話番号からの電話には注意をするべきではないだろうか?

「あ、もしもし……」

「え!? 女の子!? あ、もし、もし、もしかして、あのラブレターをくれた……!?」

裏返り、咳き込み、むせた富井の声が緑の携帯から流れてきた。


「今から、行きます」


緊張で堅くなった低い緑の声が富井の携帯に流れてきた。

「え!? え!? なんか怖いよっ!? え!?」

プツっ。

焦る富井の声を無視して携帯を切った緑は、グッとコンビニの上、三階部分を睨み付けると、キュッと唇を噛み締めて建物の脇にある階段を上っていった。

3へつづく
ケータイ版3へ

※うぁ、普通にラブコメだわ!
※エロ無しゴメン(´Д⊂
※緑と富井が勝手に暴走を始めました。 どうすればエロくなるんだこれ(^^ゞ

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