人形小説・ビニールドール7(涼子)
わたしの裸の背中に回された田中の腕と、そしてお腹に当たるアレの感触が、なんだかすごく嬉しくて愛しくて、いつまでも抱きしめられていたいな、なんて思ったら、また顔が熱くなる。
だから、わたしももっとギュッと唇を押し当てて、田中の温もりを感じ取ろうと一生懸命になってしまった。
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「ん、ん、んっ!」
クチュ、クチュ、クチャ、ペチャッ。
口の中で暴れる田中のベロが、わたしのベロの裏側を舐めたり、溢れてくるよだれを舐め取ったり、わたしを蹂躙していた。
「んんっ! んっ!」
ジュルッ、ゴクッ、ゴクッ。
一度ベロが引っ込んだかと思うと、またわたしの唇から、わたしの口の中に押し入ってくる。
ドロリ、とした大量の唾液と一緒に。
わたしは入ってきたその唾液でノドの奥を満たされて、慌ててそれを飲み干そうとする。
味は、意外なことにわたしのとあまり変わらない気がした。 というか、むしろなんかサラッとしたノドごしかも。
「んぐっ、んぐっ、んぐっ」
そんなことを考えながらもわたしが必死に飲み干していると、また一度口が離れて、すぐにまたお代わりを入れられた。
やっと飲み終わりそうなところにまた入れられて、息が続かなくなりそう……
……なんでこいつってば、こんなによだれがいっぱい出るんだろう。
やっぱり大好きな人の物でも、これだけ沢山ツバを飲まされるのはちょっとキツいものがある。 と思ってるところに。
「んぐっ、んぐっ、んぐっ! んーっ! んーっ!」
またお代わり。 ぐぁーっ! もうダメ! お返ししてやるっ!
わたしは田中の後頭部に手を回してムリヤリ押さえ込むと、思いっきり自分の口を田中の口に押しつける。
そしてわたしの口に侵入している田中のベロをわたしのベロで押しながら、鼻から空気を吸い込んで、力いっぱいわたしのと田中のとが混ざり合った大量のよだれを田中の口の中に注ぎ込んでやった。
うふふ、ざまーみろ!
わたしはそのまま田中の後頭部を押さえていた力をゆるめて、田中の顔からわたしの顔を離そうと……
「んんっ!? んーっ! んーっ! んーっ!」
いつの間にか今度はわたしの後頭部が田中に押さえ込まれていることに気付く。
そして次の瞬間には、わたしが注ぎ込んだよだれに、田中がまた溜め込んだ分のよだれまで上乗せされた分がわたしの口に戻ってきた。
……溺れる! 溺れちゃうってば!
焦ったわたしはとにかく全部飲み干すべくノドをゴクゴクと動かした。
途中で息が出来なくなって、鼻から必死で息を吸ってからもう一度ゴクゴク。
たっぷり時間を掛けて飲み終えると、ようやく田中が手を離してくれた。
「ぷはーーーっ!」
唇を離して、大きく息を吐く。
酸素不足で頭の中がクラクラしてきていたわたしは、何だかすごく疲れてしまってそのまま田中の肩に顔を埋めた。
はぁ、はぁ、と大きく肩で息をしながら思いっきり脱力。 田中にもたれかかる。
……はぁ、苦しかったーっ! 田中ってばSっ気あるんじゃないのぉっ!?
なんて思いながら田中に抱きついていると、
「あ!?」
突然田中が驚いたような素っ頓狂な声をあげた。
「なぁ、涼子。 そういえばそろそろ部活のヤツら、戻ってくるかもしれん!」
「え!? あ、あれ? そっか、ここって男子の部室だったんだ!」
……そうだった! あれから結構時間経ってるしヤバいんじゃない!?
「おお、とにかく服着ろ服、ってそうだ、お前アソコ大丈夫か? 帰りに医者とか行った方が良くないか?」
「うん、いちおう安全日…… のハズだから多分大丈夫だと思う。 でも、出来れば拭いたりとかしたいかなぁ、なんて……」
うん、多分大丈夫のハズ。 でも、もしも…… 一応検査薬とか買った方がいいのかな!?
「わかった! タオル濡らしてくる! でも、もしなんかあったらマジでオレ責任取るからな! 病院も行くなら一緒に行くしっ!」
「うん、ありがとう……」
うわぁ…… なんか凄い嬉しいかも。 やっぱり田中を好きになって正解?
田中はものすごい速さでアレをズボンの中にしまうと、タオルを持って部室を出ていく。
……そういえば結局触れなかったな、なんてちょっとだけ、ううん、かなり残念に思ったわたしはもうダメかもしれない。
わたしがとりあえず下着と服を着直したとき、田中が戻ってきた。
田中がいない間に誰かが来たらどうしようかと思うと、ほんの数分の間だったけどすごく心細かったから、扉が開いて田中が現れた時には凄くホッとした。
手渡されたハンカチとタオルを受け取ると、後ろを向いて、田中から見えないようにアソコのお掃除。
どんな風にすればいいのか自信はなかったけど、最初に奥の方まで指を入れてかきだしたり、木綿のハンカチをねじって入れてみたりして拭いてみる。
普通にお風呂で洗うときにはここまでしないから、力加減がわかりにくい。 傷とか付いちゃったりして……
一通り終わった後に、タオルを広げて軽く股間を拭いて、もう一度服を整えた。
その間、こちらを見ないようにしてくれていた田中は、わたしが切れ目を入れちゃったダッチワイフの処理に悩んでいたみたいだった。
どうやらこれ、男子部の富井君の持ち物だったみたいで、このままじゃ返せないし直しようもないからとりあえず田中が持って帰って押し入れの奥のダンボールにしまい込むらしい。
「ま、壊した言い訳を考えるよりは、涼子がこれを見て怒って捨てたことにした方がいいよな?」
なんて言われたけど、なんだかいつもわたしが怒ってばっかりの子みたいでちょっぴり腹が立つ。 だから、
「わたしはそんな怒りっぽくないよ!」
って怒って、スネたフリをする。
田中が慌てたみたいに必死にフォローし始めたのがおもしろくて、思いっきり吹き出しちゃったんだけどね。
8(涼子)へつづく
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※あれ、おかしいナ、今回はラブラブ買い物まで書こうと思ってたんですけど(^^ゞ
※次回で終わる、かナ?